5時起床。結局昨夜は着いてから少し日記を付けたものの、多少風邪気味っぽいこともあって23時にはベッドに入った。だが、時差ぼけでどうにも早く目が覚める。結局起きて日記の残りを付ける。7時半に朝食。朝食は通りを隔てて反対側のホテルの食堂で食べるシステムになっている。なので、身支度整えて外へ出る。
小雨のフィレンツェ。過去2回この街を訪れた時は2度とも快晴のフィレンツェだったので、よもや雨は想像していなかった。しかも寒い。過去はもっと暖かなフィレンツェの印象だったので、正直言って、私は致命的に服が足りない。先週のソウルの時のような装備で来るべきだったのだ。状況に応じて、なにかこちらで服を買うか。
向かいのホテル「IL PERSEO」で朝食。ここ、私が泊まっているホテルと経営者が同じなのだ。ヨーロッパの安宿の朝食といえばパンとシリアルと一人用ポット入りのコーヒーである。もう少しグレードが上のホテルだとハムとチーズも付く。で、このコーヒーがとにかく美味い。もちろん豆はイリィの豆。一緒に出されるホットミルクで濃厚なカフェラテにしていただく。これで一気に目が覚める。
朝食のあとは、小雨の中、ドゥオモの周りを散歩して廻った。日曜の朝8時半。まだ観光客の姿もまばらだ。残念ながらドゥオモは外装を改修工事中で、かの辻仁成と江國香織の小説「冷静と情熱の間」で有名になったクーポラの頂部も見事に工事の足場に覆われていて見えない。今回こそ、この最頂部に登るつもりだったのだが、果たして上がることが出来るのだろうか?
「フィレンツェ・リヴェンジ」を謳ってはいるが、だからといって闇雲に何でもかんでも詰め込んで予定を立てて見て回る、ということではない。あくまでも自分のペースでこの街を楽しめれば良いのだ。教会や聖堂、礼拝堂といったところのフレスコ画たちを中心に見て回ろうと思っている。すでに今回はウフィッツやアカデミアなどの超有名美術館の見学は放棄。あんまり詰め込んでたくさん見過ぎると、それぞれの印象も薄れるし、なにより何を見たのかわからなくなってしまうからだ。
部屋に戻り暖を取りつつ、まったり過ごす。30分ごとに打ち鳴らされる鐘楼の鐘の音を聴いているだけでかなり満足だ。しかも雨。まぁ、気楽に気長にゆっくり行こう。と、窓外から大きな歓声が聞こえる。ランナーに贈られる声援。小雨の中、ドゥオモの周りで地元のマラソン大会が開催されている。
11時、再びホテルを出てサン・ロレンツォ聖堂の方へ歩く。今日は日曜日のため、サン・ロレンツォ聖堂もメディチ家礼拝堂もお休み。美術館と違って教会や修道院は日曜日は当然お休みだ。この界隈には、道の両側にびっしりと観光客相手の革製品や装飾品などの露店が建ち並ぶ。前回ここへ来た時には、その露店のひとつで革製のベルトを1本買ったのだ。値段はもう忘れてしまったが、たしか値引きの交渉をして、半額、とまではいかないが、だいぶ安く買ったような気がする。今回も記念に1本ベルトを買うか、とも思ったが、ちょっと考えて、そのイベントはまた次回に来た時に取っておくことにした。
そのままその界隈を抜け、日曜日で休みの中央市場をぐるっと迂回してサン・ガッロ通りを北へ。旧サンタポッローニア修道院でカスターニョの「最後の晩餐」を見る。次にサン・マルコ美術館を見学。入場料4ユーロ(580円)。日本語パンフレット8ユーロ(1160円)も購入。ここもかつては教会と修道院でそれがそのまま美術館になっている。先の旧サンタポッローニア修道院もこのサン・マルコ美術館も収蔵品は宗教画である。
私はキリスト教信者ではないし、ごく一般的な日本人的宗教観を持つ平凡な人間だが、ことキリスト教の宗教画には心惹かれるものがあるのだ。なので、普通の美術館に行くよりも、古い教会や修道院、礼拝堂に行ってしまう。その建物の美しさ、装飾品のすばらしさ、そこに掲げられている宗教画の数々の荘厳さ。初めてバチカンのサンピエトロ寺院を訪れた時、その圧倒的な存在感にすっかりやられてしまったのだった。それ以来、イタリアへはその宗教美術を見に来るようなものなのだ。とにかく、感嘆せずにはいられないのがその絵画たちの構図(レイアウト)のすばらしさだ。シンメトリーを基調にし、天地そして奥行きを完璧に配していく。そしてそれを表現していく色彩の奥深さ。
サン・マルコ美術館を出たところで昼食にした。雨脚が強くなってきたし、かなり空腹だ。思えば朝食べたのは小さなパン3つとコーヒーだけだったのだ。で、美術館近くのセルフスタイルのピザ・レストランで茄子とパプリカのピザとペンネとカプチーノ。13.5ユーロ(1958円)。う〜む、高い。当然のことながら観光地料金なのだが、実はイタリア、物価が以前に比べてかなり高めなのだ。正直、日本の方がかなり割安だと言える。貨幣がユーロに統一されて、やはりその分フランスやドイツ並に物価が底上げされたからなのか。それでも食べると身体が温まり、だいぶ元気が出て来た。カプチーノ飲みつつ、このあと午後をどうするか検討。しかし、雨は相変わらず降り続いているし、どうやら風邪の引き始めっぽい。よって一旦ホテルに退却することにした。途中地元のスーパーマーケットで電気の延長コードを購入。3.5ユーロ(508円)。去年のマルタに続いて、今回も延長コードである。世界中どこかに行くたびに延長コードを買う運命なのか、私は?(笑)。水も500ccのボトル2本で2ユーロ(290円)。
部屋でベッドに横になり、成田空港で買った「冷静と情熱の間Blue」を読み切る。薬のおかげでだいぶ復調。でも、雨は一向に止む気配がない。部屋で停滞。午後5時半の鐘の音が響く。結局そのまま部屋で停滞し、夜9時夕食を買いに出る。近くのピザ屋でピザとペンネで6ユーロ(870円)。部屋にお持ち帰り。雨はだいぶ小雨だが風が強く、部屋の窓の鎧戸の建て付けが悪いため、時折バタン!と大きい音を立てて閉まるのだ。
夜中、目が冴えてしまい、日本から持ってきた映画の録画DVD「スパイ・ゲーム」を見る。